詩の起源は何か?
詩には不思議な魅力がある。朗読されてもよいし、目で読んでもよい。しかし、本来的には音声が起源であろう。現在の氏の特徴としては以下のことが言える。
- (1)読んで味わう。詩人も紙に書き付けて詩を作る。目が主体となる。
- (2)個人的な行為である。個人が頭の中で考えて作詞する。他者と共有されるときは、朗読会のような形式である。
- (3)身体が動くことはない。踊りの要素はない。静的である。
まとめると、視覚的、個人的、静的がその特徴になる。
しかし、これは原初的にはどうであったのか。おそらく、全身活動であり、集団行為であったと思われる。
日常の中にあっては、定期的に非日常の世界に入る必要がある。日常生活はいわば、散文的な世界である。韻文的な世界に入るためには非日常的な言語世界に入らなければならない。集団では、「祭り」の世界がその特徴になる。
集団で乱舞して、大きな声で歌い合う。歌と踊りは結びついている。その時は酒なども入り、非日常的な世界に入り込むのである。その時に使われる言葉に着目したい。そこで使われる言葉が詩へとつながってゆくのである。(続く)